トップ>コエル・ニュース

コエル・ニュース

「障害があっても、みんな、同じなんだ」
新中学生を前に、田中哲也さんの出前授業

 3月は新たな出会いのシーズン。卒業式を終え、この春から中学生になる子どもたちを集めた研修会に、当サイトのコーディネーターで、元パラリンピック・アルペン種目日本代表の田中哲也さんが参加し、「出前授業」を行った。
 3月21、22日、砂川市の北海道立砂川少年自然の家(ネイパル砂川)で開催された「集まれ!ニューフェイス〜中学生になる君へ〜」で、砂川市内にある4つの小学校から6年生24名が集まり、一泊二日で体験学習を行った。同自然の家が今年、初めて主催したもので、田中さんは2日目の午前中、体験学習の一環として話をした。
 大学時代にバイク事故で右足を切断した経緯を話したあと、病床で知り、自ら取り組むことになった障害者スキーをはじめ、車椅子マラソン、アイススレッジホッケーといった障害者スポーツの世界を紹介。「車椅子マラソンでは、42.195キロを何時間で走ると思う?」という田中さんの問い掛けに、町で見かける車椅子がゆっくりという印象があったのか、5時間、いや6時間と答える子どもたち。健常者のマラソよりはるかに早い1時間半と聞いて、驚きの声をあげていた。
 続いて、障害者に関するマークの説明とクイズ。障害者駐車場や、車椅子トイレなどのマークは多くの子どもたちが知っており、これには田中さんも関心。「どれも、障害を持つ人にとっては大切な意味を持っています。たとえば、車椅子の駐車スペースには自転車を置かないよう気をつけて」と子どもたちにアドバイス。
 さらに自らの義足の話に触れ、「僕は股関節から足がないので走ることはできませんが、この義足のおかげでそれ以外はみんなと変わりません。障害者だからかわいそう、ではなく、ちょっと不便なこともあるけど同じということを知ってください」と話した。
 お話のあと、持参した義足、チェアスキー、アイススレッジなど専用の装具、道具に興味で触れる子どもたち。そして後半は、体育館での交流タイム。ドッチボールに続いて、視覚障害者が音の出るボールを使い、座って行う野球を体験。座ったまま打つことの意外な難しさに、苦戦しつつも熱戦を繰り広げていた。
「これから中学校という新たな段階に進む子どもたちに、一日一日、今という時間の大切さを知って欲しかった」と田中さん。自分のできること、自分のベストを常に尽くすことが大切という話を、これから生きていくなかで思いだしてもらえればと話している。(2008年3月配信)

出前授業01 出前授業02 出前授業03
出前授業04 出前授業05 出前授業06

「1日1日を大切に、生きて欲しい」
田中哲也さんが江別市の小学校で出前授業

 当サイトのコーディネーターで、元パラリンピック・アルペン種目日本代表の田中哲也さんが、2月27日、北海道江別市の市立小学校で「出前授業」を行った。
 5年生向けの特別授業として、3、4時間目を使い、授業形式の“お話タイム”とスポーツ交流を行うというカリキュラムだったが、この授業に興味を持った6年生たちが3時間目に飛び入り参加。総勢106名が、体育館に集合して田中さんの話に聞き入った。
 大学時代、オートバイの単独事故で右足を失った田中さん。“お話タイム”ではまず、その経緯と、そして当時の気持ちに触れた後、肢体障害者となった自分が、生きる目標の一つとなったスポーツを紹介。「障害に合わせて道具や装備などを工夫することで、ほとんど同じルールで同じスポーツを楽しむことができる。そんな障害者スポーツに、ぜひ関心を持ってください」と話した。 
 アイススレッジホッケー、チェアスキーで使う道具を見せながらの話に、次第に興味を惹かれたようすの子どもたち。オーダーメイドの義足を示し、それを膝の関節からクルリと回転させた時には、驚きの声が上がった。「この義足のおかげで、僕は両手を使うことができ、走れないこと以外、不便を感じることはありません。でも、障害の程度や状態は人それぞれ。街で手助けが必要そうな人を見つけたら、声をかけてあげる気持ちを持って欲しいですね」と田中さん。
 お話の最後で、「みんなは今、元気で学校に通っているけれど、自分が気をつけているつもりでも、いつ大けがをするかわからない。障害を負ってしまうこともある。だからこそ、1日1日を大切にして欲しい」と話すと、子どもたちは大きく頷いていた。
 田中さんへの質問や、持参したスポーツ用具、義足に興味津々で触れた後、4時間目には田中さんを交えてドッチボールで汗を流した。授業の最後には、5年生から田中さんへのサプライズが。卒業式のために練習しているという「この地球のどこかに」という合唱曲がプレゼントされた。
 授業を終え、子どもたちと一緒に給食を食べ、この日の「出前授業」は終了。「話そのものは、半分も理解できなくていい。ただ、義足姿の自分を見て、触れ合うことが大切なんです。小学生のうちのそんな体験が、障害者への視点を大きく変えるし、ごく自然に、一緒になって社会生活を送れるようになるんですね」と田中さんは話している。(2008年2月配信)

出前授業01 出前授業02 出前授業03
出前授業04 出前授業05 出前授業06

世界トップ3が参戦、酷寒の旭川に熱気
ジャパラ・アイススレッジホッケー開催

 障害者スポーツ、国内最高峰のジャパンパラリンピック・アイススレッジホッケー競技大会が、去る1月22日〜26日(25日は国内クラブマッチ)、北海道旭川市の旭川大雪アリーナで開催された。旭川での開催は、昨年に次いで2回目。
 今回は、トリノパラリンピック(2006年)のメダル受賞国、カナダ(金)、ノルウェー(銀)、アメリカ(銅)が参戦し、全日本チーム(5位)を交えてリーグ戦が行われた。
 22日、全日本の初戦の相手はアメリカ。トリノメンバーから若手へとメンバーを一新させてのアメリカに対し、前半9分過ぎに上原大介(FW)が先制点。このまま逃げ切りかと思われた第3ピリオド終了間際、あと40秒で勝利という時間に、一瞬の隙を付いて1点を返される。5分間のサドンデスでは勝負が付かず、PS(ペナルティショット)へ。サッカーにおけるPK戦だが、ここでアメリカが一つ成功、全日本はゴールを決めることができず、惜敗。
 その後のノルウェー戦、カナダ戦も、点差こそ大きく離れなかったものの、勝利を上げることができず、結果は4位。「今回の国際試合で見えた課題を、3月の世界選手権に活かしたい」という関係者の声も聞かれ、その意味では収穫もあったようだ。
 最終日の決勝では、カナダが先制されながらもノルウェーを押さえ込み、優勝。日本は初戦の相手、アメリカと再び接戦。同点のまま3ピリオドを終了し、続く5分間のサドンデスでゴールをゆるし、またもや惜敗。しかし、十分に世界に通用するポテンシャルもまた、見せてくれた。

[最終順位]
1位 カナダ/2位 ノルウェー/3位 アメリカ/4位 日本

 大会4日目の25日は、国内クラブチーム選手権が開催。長野サンダーバーズ、東京アイスバーンズ、北海道ベアーズ・八戸バイキングス連合の3チームがリーグ戦を行った。今回は、アイススレッジホッケーを始めて1年で日本代表に選出された伊藤仙孝(FW・北海道ベアーズ)や、塩谷吉寛(FW・長野サンダーバーズ)ら若手選手の活躍が目立った。海外強豪チームを見るにつけ、選手層という意味では決して十分とは言えないものの、こうしたルーキー達の台頭は、後の世代の牽引力となるのではないか。そんな印象だった。

[順位]
1位 長野サンダーバーズ/2位 東京アイスバーンズ/3位 北海道ベアーズ・八戸バイキングス連合

 国内クラブチーム選手権が行われた25日、海外チームの多くは旭山動物園の見学などを行った。今回のジャパンパラリンピックは、旭川市の有志による冬の新しいツアー構築への取組み“旭川ウィンタークラシック”の一環として、海外チームにおいては試合だけでなく、旭川へのツアーという形で来日。地元のユニバーサル化に取組む車いす紅蓮隊などによって、市内のホテルのバリアフリーチェックが事前に行われたほか、アイススレッジホッケーの会場となった旭川大雪アリーナには、車椅子専用の観覧席なども設けられた。
 1月26日には車椅子カーリング体験会、スレッジ体験会も開かれ、障害の有無に関わらず多くの市民が参加。歓声があがっていた。


 
 メインとなるゲームが夕方以降に組まれたこと、地元の有志やメディアを通じて準備段階から周知が図られたことにより、大勢の市民が観戦に訪れていたことも、前回と比較した大きな違いだ。パラリンピックのメダルチームの来日に、多くのマスメディアも入った。だからといって、障害者スポーツが今後、注目を浴びるかといえば難しいのが現状だが、少なくともアリーナに足を運んだ旭川の人たちの中に変化が起き、それがやがて大きな波となることに期待したい。

(2008年1月配信)


日ハムのB・Bも参加!
旭川でクロスカントリーフェスタ、開催

 日本障害者クロスカントリースキー競技会を兼ねた「クロスカントリースキーフェスタ2008 in 旭川」が、去る1月5日、旭川市神居町の富沢クロスカントリースキーコースで開催された。
 障害の有無を問わず、クロスカントリースキー競技会への参加機会を提供するとともに、障害があっても一般大会を目指すためのノウハウを習得し社会参加の第一歩とすることを目的に毎年、この時期に開催されている。障害者のスキークラブや養護学校などに通う選手のほか、パラリンピックに参加するナショナルチームのメンバーも出場。今年は、2年連続のリーグ優勝を果たした北海道日本ハムファイターズのマスコット、B・Bも参加し、競技を盛り上げた。
 SAJD(障害者スキー連盟)のポイントがつく6キロレースに始まり、3キロレース、ジュニアの部、一般オープンの部、初心者を対象としたチャレンジの部が行われ、盛んな声援を受けながら、白熱したレースが展開されていた。会場の一画ではシットスキーや雪道などでも乗れる3輪式の車椅子、バイアスロンで使うビームライフルの体験コーナーが設けられたほか、リレー競技も行われた。リレー競技は、シットスキー、アイマスク着用、片手のみのポール使用、両足首をロープ等で固定----という4走者によるレース。希望者によるチーム編成で行われ、ハンデを付けての滑走に転倒したり、タッチの時に勢い余って次の走者に衝突する場面もあり終始、和やかな雰囲気のなかで、真剣にゴールを目指す姿に惜しみない拍手が送られていた。(2008年1月配信)

クロスカントリーフェスタ01 クロスカントリーフェスタ02 クロスカントリーフェスタ03
クロスカントリーフェスタ04 クロスカントリーフェスタ05

道障害者スポーツ・健康開発研究会で、
「コエル」の活動を報告

去る12月1日、札幌市内において北海道障害者スポーツ・健康開発研究会(金谷秀秋会長)の第7回大会が開催された。同研究会は、北海道における障害者や高齢者のスポーツや健康に関する情報交換、情報交流を行うとともに、その活動の場や参加機会の拡大を図るための働きかけ、研究を行っている団体で、毎年、関係機関や団体などの報告・講演を行う大会を開催している。
 今年は、当サイトが「パラリンピックへの道と情報サイトコエル設立までの道のり」と題して講演する機会をいただき、設立準備から今月、1周年を迎えるまでの経緯と現状を報告した。そのなかで、障害を持つ人たちへの情報提供の機会の不足、またその難しさについて認識を共有すると同時に、新たなネットワーク作りへの呼びかけを行った。
 障害者スポーツや健康を巡る様々な取り組みを知り、さらにこうした場における意見交換の大切さを実感するよい機会となった。(2007年12月配信)

ピアノパラリンピック01 ピアノパラリンピック02 ピアノパラリンピック03

車椅子レーサーの長屋さん、
富士スピードウェイのレースに出場!

12月9日日曜日に、富士スピードウェイジムカーナコースで行われる
ハンディキャップ ドライバーフェスティバル 2007「ハンディキャップ ドライバー
日本一決定戦」に、車椅子レーサーの長屋宏和さんがゲスト出場します。
http://www.vbc-group.jp/main.event1_hd_nihonichiketteisen_1_4_1.htm

この競技は、ジムカーナ場にパイロンと白線でコースを設定し、
車庫入れ・縦列駐車・クランク・バック走行などで競い合うタイムトライアルです。
http://www.vbc-group.jp/main.event1_hd_nihonichiketteisen_1_4_1_kousuzu.htm
長屋さんは、普段乗り慣れた愛車・ホンダ オデッセイで走るそうです。

「障害のレベルで、ハンディは大きいかもしれませんが、
やるからには日本一になります!」と長屋さんは意欲満々。

「このようなタイムトライアルの競技の存在と、出場させて頂くことで、
気持ちの部分でウキウキしていますし、自信は当然あります。

普段、街を走行しているように、安全面には気をつけ、レースに挑みたいと思います。
皆さん、応援、よろしくお願いいたします。」とのメッセージが届いています

会場では長屋さんの本「それでも僕はあきらめない」のサイン会も行うそうです。
http://item.rakuten.co.jp/book/4377677/

当日、お時間のある方は、ぜひ応援におでかけください。

開催概要
・開催日時:2007年12月9日日曜日
・開催場所:富士スピードウェイジムカーナコース
・主催:有限会社VBC MSコンサルティング事業部

・当日のタイムスケジュール(暫定)
ゲートオープン:7時30分
参加受付:          7時30分〜8時15分
車検:             7時40分〜8時30分
ドライバーズミーティング:8時35分〜8時45分
練習走行:         9時00分〜11時30分
昼休み:          11時30分〜13時00分
競技開始:         13時00分〜15時30分
表彰式:          15時45分〜16時00分

なお、長屋さんは、11月22日にはTBSラジオ 954MhZ「生島ヒロシのおはよう一直線」に生出演します。
http://www.tbs.co.jp/radio/ohayou/
こちらは5時45分〜の出演で、ご都合のよろしい方は是非、お聴きください。

長屋さんの連絡先は:株式会社アトリエロングハウス ピロレーシング

〒151-0073
東京都渋谷区笹塚1-47-1-113

電話:03-3460-1168
FAX:03-3460-0995
携帯:090-3002-5110

E-mail: info@piroracing.com
HP: http://www.piroracing.com/
ブログ: http://ameblo.jp/piroracing/

(2007年11月配信)


依然、低水準の現状が浮き彫りに
授産施設など全施設の平均工賃は約1万5,000円〜厚労省発表〜

 平成18年に障害者自立支援法が施行され、従来のサービス体系が大きく見直されるとともに、平成19年度から「工賃倍増5か年計画」がスタートしていることを受け、厚生労働省ではその参考とするため、全国の授産施設など4,656事業所に対して工賃の調査を実施、このほど、結果が発表された。
 調査対象となったのは、就労継続支援A型事業所、就労継続支援B型事業所、福祉工場(三障害)、入所・通所授産施設、小規模授産施設で調査の回収(回答)率は99.95%。
 調査結果によると、対象施設すべてを合わせた全国平均の工賃は約1万5,300円と、依然、低い水準にあることがわかった。このうち、「工賃倍増5か年計画」の対象とされている就労継続支援B型事業所・授産施設・小規模通所授産施設は同およそ1万2000円にとどまっている。また、この三施設の平均工賃は、最も高い高知県(約1万6,000円)と最低の大阪府(約8,000円)で2倍の開きがあるなど、地域格差も鮮明となった。
「工賃倍増5か年計画」は、各事業所や施設において民間企業等の技術・ノウハウを活用し、経営コンサルタントや企業OBの受入れによる経営改善や企業経営感覚の醸成を図り、一般企業とも協力体制をつくることで2011年度に現状の工賃の倍増を目指すもの。厚生労働省を中心に、今年度から取り組みがはじまっている。(2007年11月配信)


視聴覚障害者向けの放送普及めざし
字幕・解説放送の指針作成〜総務省〜

 総務省では、平成18年10月から平成19年3月まで、「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」(座長・高橋紘士立教大学教授)を開催し、視聴覚障害者向け放送の普及拡大を検討してきたが、このほど字幕・解説放送に関する行政指針の策定を行った。
 指針によると、平成20年度〜29年度に、字幕付与可能な放送番組(*)について、すべてに字幕を付与することを目的とする。新たに放送される放送番組だけでなく、再放送番組も含まれる。データ放送やオープンキャプションにより番組の大部分を説明している場合、字幕放送に含める。
 また、平成29年度までに、対象の放送番組について、NHK総合と民放キー5局はその10%、NHK教育は15%を解説付きとすることも目標としている。
*ニュースの生番組や外国語など字幕の付与が難しい放送番組以外で、複数人が同時に会話を行う以外の生放送番組、手話により音声を説明している放送番組、大部分が歌唱の音楽番組を含む放送番組(2007年11月配信)


第2回ピアノパラリンピックを目指して
シンポジウムとコンサートが開催

 障害があっても、持っている機能を最大限に活かして、その人なりの音楽をピアノで表現する。2年前の平成17年、横浜でこんな主旨の演奏会が開催された。その名も、ピアノパラリンピック(ピアノパラリンピック in JAPAN)。第1回にも関わらず、世界各国から120名もの障害を持つ演奏者が集まった。主催したのは、ハンディのある人たちへのピアノ指導を行うことを目的として活動するNPO法人日本障害者ピアノ指導者研究会(IPD)。
 第2回は平成21年、カナダ・バンクーバーで開催予定だが、その普及事業の一貫として10月8日、札幌大谷大学で『シンポジウム&みんなの楽しいコンサート in 札幌』と題する研究会が開かれた。
“障害を活かしたピアノ演奏の魅力”という副題がついたこの催しは2部構成で、前半はシンポジウム。IPDの設立者で代表を務める迫田時雄氏(元武蔵野音楽大学教授)の挨拶に続き、「難聴と音楽」と題する特別講演、IPD会員による指導研究発表が行われた。
 後半は障害を持つ演奏者によるコンサート。この催しを後援する札幌市の上田文雄市長が挨拶とともに、IPD北海道支部長・遠藤起代さんの伴奏で「ふるさと札幌」(作詞・小檜山博。作曲・吉田佐)を独唱し、幕を開けた。
 全国から駆けつけた四肢障害、聴覚障害、視覚障害、知的障害、その他障害をもつ21組が、それぞれ練習を重ねた自信曲を披露。左手指に欠損があるとは思えない、みごとなソナタが聞かれたかと思えば、聴覚障害者が日本のさくらを巧みにアレンジした幻想的な曲を披露。また、アニメーションの名曲や、現代音楽に挑戦した演奏者もみられ、一曲ごとに惜しみない拍手がおくられていた。
 異なる障害を持つ5人の子どもたちによる10手連弾や、施設のメンバーが練習を重ねた手話コーラスもあり、会場から大きな手拍子がわき起こった。
 重度の自閉症で、普段はコミュニケーションがうまくとれないという男性が、ピアノでは豊かな音色で、観客に語りかける。気持ちが伝わる音楽、そしてピアノの魅力に改めて気付かされた。なお、演奏者の一部は、第2回ピアノパラリンピックのデモンストレーションとして12月に、国連本部およびカーネギーホール(いずれもニューヨーク)での演奏が予定されているという。(2007年10月配信)

*IPD北海道支部長・遠藤起代さんには8月のコエルインタビューでお話を伺いました。ぜひ、ご覧ください。

ピアノパラリンピック01 ピアノパラリンピック02 ピアノパラリンピック03
ピアノパラリンピック04 ピアノパラリンピック05 ピアノパラリンピック06

障害者権利条約に署名国連で、高村外務大臣

 外務省の発表によると、9月28日午後、高村外務大臣が国連本部内において、障害者権利条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities=仮称・障害者の権利に関する条約)に署名した。
 同条約は障害者の固有の尊厳、個人の自律および自立、差別されないこと、社会への参加等を一般原則として規定し、障害者の保障されるべき個々の人権および基本的自由について定め、人権および基本的自由を確保し促進するための措置を締約国がとることなどを定めたもの。
 2006年12月、第61回国連総会本会議で採択され、3月30日に署名のために開放されたが、その時点で日本は国内法の未整備を理由に見送っていた。その後、外務省や総務省、厚生労働省など9省庁からなる「障害者権利条約に係る対応推進チーム」を発足、署名について検討を行ってきたほか、早い時期における締結(批准)を目指している。
 同条約については9月現在、英、独、仏、加、豪、中、韓等の主要国を含めた113カ国および1の地域機関が署名を行っているほか、クロアチア、キューバ、ハンガリー、ジャマイカ、パナマの5カ国が締結を済ませている。条約の発効には20カ国の締結が必要とされている。
 障害者の権利を巡る世界的な動きが、国内における環境整備の追い風となることを期待したい。(2007年10月配信)

Copyright © Mega Communications co., Ltd. All Rights Reserved.